第46回 つかの間の永遠のような

目に映るすべてがその人に紐づいてしまうような
世界の輪郭がその人の形に変わってしまうような
そんな人との出会いがあなたにもあったはず


季節の変わり目、寒くなってきましたね。
本日は自治会三年生のうまが、秋に思ったことをつらつらと書きます。



僕には、秋になるといつも思い出す人がいます。
僕はその人のことが好きで、どうしようもなく好きで
それは例えば、木々の葉が色づいたことを一番に教えたくなるような
一度会えばすぐに手と手を重ねたくなるような
僕にとっての正義が、その人になってしまうような

その人の一番の笑顔を見れるのは秋です
沢山のお祝いを受けて、プレゼントに囲まれるその人は
一緒にいる僕まで巻き込んで楽しそうにしていて
それが僕にとってこの上なく嬉しくて

「あなたがいないと生きていけない」なんてことではないけど
「あなたがいないと寂しい」だとか
「あなたがいないとつまらない」だとかはちゃんとあって
だから僕は、その人が一番の笑顔になれるような贈り物をずっと考えていました


けれど、人は突然会えなくなってしまうことがあって
本当に突然、その人はいなくなってしまって
自分だけではもうどうしようもなくて、泣いてみても、逆に笑ってみてもだめで


人生で初めて、かみさまに縋ってみたりして
だけどやっぱりその人には会えませんでした


もう会えないなら、もう会えないよって伝えてほしかったです

「おしまい」はいつも、「おしまい」じゃないような雰囲気を纏ってやってきて
そんなんだから、もらったものも返せないまま
渡したいものも渡せないまま
伝えたいことも伝えられないまま
僕はその人に会えないままです


別に、何か崇高な言葉を伝えたかったわけではなくて
ただ、久しぶりだねとか、元気?とか
最近寒くなったねとか
そんな何気ない会話を積み重ねたかっただけで

僕の思いと一番近いのはきっと偉そうな厚表紙の本に載っている言葉じゃなくて
図書館のいちばん明るいところにおいてある絵本に書かれているようなことだから

好きです、どうかお元気でと
一言だけでも、伝えたかったです




人生は1度きりだから
会いたい人には足が千切れようと今すぐ会いに行って
好きな人には喉を潰すほど叫んででも好きと伝えて
一つもやり残すことがないように
何も思い残すことがないようにしたいと思います
だって人生は本当に1度きりなのだから


それでも、人はすぐ忘れてしまうのだから
いつかする後悔を少しでも減らすために、何度でも思い出して、書き留めて、伝えていきた
いと
そう思ったのでブログに書いてみました。




もうすぐ、その人は4回目の年を取らない誕生日を迎えます。
つかの間の永遠のような時間を共に過ごせたことは、僕の大切な思い出です。

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